【福島県・会津旅行】奥会津金山赤カボチャはいつ・どこで買える?

みなさん、こんにちは。「アクティビティ奥会津」です。

2021年7月に奥会津・金山町へ移住した代表のじろちゃんが、この町で暮らして知った特産品「奥会津金山赤カボチャ」(以下:金山カボチャ)の魅力をご紹介します。

名前だけ聞くと、普通のカボチャを想像すると思いますが、金山カボチャは少し違います。見た目が濃いオレンジの皮に、甘みが強いカボチャです。金山町の農家さんたちが大切に育て、店に並ぶのは8月中旬から9月下旬ごろまでの1か月とちょっと(年によってずれることも)だけです。8月上旬、金山カボチャの畑を見に行ってきました。ネットのトンネルからいくつも実がぶら下がる光景は、金山町の夏の風物詩です。8月末にもう一度のぞいてみると、実の色はさらに濃くなっていました。今しか出会えないこの金山カボチャについてお伝えします。

奥会津金山赤カボチャってどんなカボチャ?

濃いオレンジ色の皮と、大きなお尻の「へそ」が目印です。ずんぐりとした扁平型で、太い茎がついています。甘みが強く、肉厚でホクホクとした食感です。収穫後に熟成が進むと、しっとりとした食感に変わり、甘みもさらに増すと言われています。ただし皮が薄く、日持ちがしません。

羊かんやどら焼き、ジャム、パイ、プリン、飴など、多彩な加工品の材料としても親しまれています。道の駅奥会津かねやまでは金山カボチャを使ったソフトクリーム(1日数量限定で販売されることがあります)、国道252号沿いの横田地区「ひょっとこ亭」では、金山カボチャのペーストを使ったラーメンが一年を通して味わえます(11月下旬〜4月上旬ごろは冬季休業)。

奥会津金山赤カボチャ。左が太い茎、右が大きなお尻のへそ

奥会津金山赤カボチャ / おもての「太い茎」と大きなお尻の「へそ」

「吊り下げ式」で育てる、金山町ならではの畑

金山カボチャの育て方には、パイプとネットのトンネルに蔓をからませる「吊り下げ式(天吊り栽培)」と、地面に蔓を這わせる「地這い(じばい)栽培」があります。今回見てきたのは吊り下げ式です。実が地面に触れないので、日光がまんべんなく当たり、形も色も均一にきれいに仕上がるといわれています。地這い栽培でも美味しく育てられますが、色むらを防ぐためのマットを敷き、収穫前に実を少しずつ回転させて日を当てる、というひと手間が必要になるそうです。

畑で最初に「カボチャが宙に浮いている、こうやって育てるんだ」と思いました。カボチャは地面にごろんと転がっているものだと思っていたので、ネットからきれいにぶら下がる姿に驚きました。濃いオレンジの実がいくつも並び、遠くからでもよく目立っていました。どちらの栽培方法でも、この形と色、糖度の高さを実現するには、手間がかかっているのだと実感しました。

赤カボチャのトンネル畑と背後の山(吊り下げ式栽培)

奥会津金山赤カボチャの
トンネル畑(吊り下げ式)

ネットに吊るされた赤カボチャの実(吊り下げ式栽培)

ネットに吊るされた実
*観光用にパイプを半分にした状態

「奥会津金山赤カボチャ」の看板がある畑のトンネル

「奥会津金山赤カボチャ」の
畑の看板

受け継がれてきた種と、いま畑を守る人たち

農家さんの話によると、金山カボチャの種は金山町以外で育てても、最初の年は金山カボチャに近い形で実るそうです。ところが、その種を何年か育てるうちに、まわりのカボチャと自然に交配して、少しずつ緑色のカボチャに近づいていくのだとか。この土地の風土と気候の中で、農家さんたちが種を大切に受け継いできたからこそ、今の金山カボチャがあるのだと知りました。

この赤いカボチャが金山町に根づいたのは、1955年ごろのこと。町の中学校で農業を教えていた先生が、自宅で育てていた赤いカボチャを授業で紹介したのが始まりだそうです。1975年ごろには町全体に広がり、2008年に生産者協議会が発足しました。2009年に商標登録、2018年には地域団体商標に登録され、2022年度には農林水産大臣賞も受賞しています。(出典:金山町『奥会津金山赤カボチャの紹介』

種まきは5月、畑への定植は6月、収穫は8月から9月にかけて行われます。金山カボチャを育てる農家は、いま町内に50数軒ほど(年によって増減)。以前はもっと多かったそうですが、金山町は高齢化率が約6割(2020年の国勢調査で全国4位)と、全国でも指折りの高齢化が進む町です。金山カボチャづくりも、作り手の高齢化と後継者不足で、少しずつ数を減らしています。収穫量ももともと多くはありません。

金山町観光物産協会でも「幻のカボチャ」と紹介されているとおり、店頭に並ぶ期間は短く、作る人も収穫量も限られる——だからこそ「幻」と呼ばれています。(出典:金山町観光物産協会『奥会津金山赤カボチャ』

検査に合格した証のシール

収穫した実は、生産者協議会が、形や色、へその大きさをもとに検査します。約1週間寝かせ、風を通して熟成させ、甘みを引き出してから、果実非破壊測定器で乾物率(完熟度)をチェックし、基準を満たしたものだけに専用シール(2023年産から新デザイン)が貼られます。このシールが付いたものだけが「奥会津金山赤カボチャ®」ブランドとして販売されています。

ブランドのシールには、「奥会津金山赤カボチャ®」の名前、生産者番号「〇〇」、「地域団体商標 特許庁」「2022年度 豊かなむらづくり全国表彰 農林水産大臣賞受賞」の文字が入っています。

奥会津金山赤カボチャの検査合格シール

奥会津金山赤カボチャの検査合格シール

買えるのは8月中旬から9月下旬ごろまで(年によってずれることも)

販売時期8月中旬〜9月下旬ごろ(年によってずれることも)
金山町内で買う道の駅奥会津かねやま/商店/生産者さんによる直売
近隣で買う三島町の道の駅尾瀬街道みしま宿、柳津町のスーパーかねか など
福島市・東京で買う
(期間限定の販売会)
福島県観光物産館(コラッセふくしま・福島市)/日本橋ふくしま館 – MIDETTE(ミデッテ・東京)
福島県観光物産館での販売:2026年9月12日(土)9:30〜12:00に販売予定(なくなり次第終了)
詳しい日程・内容は金山町公式サイト福島県観光物産館金山町観光物産協会で確認を
販売は年によって日程が変わります。今年のミデッテでの販売は終了しました。
通販産直通販サイトで先行予約を受け付けることがあります

一般的なカボチャに比べると、ぐっと価格は高めで、店舗によっても異なります。通販サイトでは、2玉入りや詰め合わせ、贈答用の箱入りなど、さまざまな形態で販売されています。店舗販売では、お店によって1日に提供できる数量が限られているため、シーズン中でも早い時間に売り切れる場合があります。確実に入手するには、事前に各店舗へ在庫確認をしてから訪れることをおすすめします。*予約できるかは店舗によりますのでご確認ください。

道の駅奥会津かねやまに並ぶ奥会津金山赤カボチャ

道の駅奥会津かねやま
販売風景

道の駅尾瀬街道みしま宿に並ぶ奥会津金山赤カボチャ

道の駅尾瀬街道みしま宿
販売風景

金山カボチャの畑のすぐ近くには、天然の炭酸水が湧き出る井戸があります。8月下旬、南相馬市の原町地区から5人の仲間がカボチャを買いに来たときも、みんなでこの井戸まで足をのばして、冷たくシュワシュワの水をくんできました。金山町の天然炭酸水は、2023年のG7広島サミットでも使われた水です(出典:会津の天然炭酸水)。井戸のくわしい話は「金山町の天然炭酸水ガイド」にまとめています。

おうちでの食べ方と保存の目安

一番シンプルなのは「ホクホク煮」です。ヘタを取り、へそ側から一口の大きさ(約5cm角)に切って鍋に入れます。かぶるくらいの水を注いで強火にかけ、沸いたら中火で約8分。竹串がすっと通ったら火を止め、水を捨てて弱火で鍋をゆすりながら水分を飛ばし、塩少々で味を整えれば出来上がりです。もちろん、セイロで蒸してもおいしくいただけます。

炊きたてをひと切れ食べると、思わず「あまーい」と声が出てしまいました。ほくほくで、煮るだけ、蒸すだけでも十分おいしい。もちろん、炊飯器で作る金山カボチャケーキも、金山カボチャプリンも、砂糖を足さずに、金山カボチャのほのかな甘みだけでおいしく仕上がります。

お店に並ぶ頃には、収穫から約1週間ほど寝かせて熟成させてあります。そこから数日はホクホクとした食感を楽しめ、日が経つにつれてしっとりとした食感に変わり、甘みも増していきます。皮が薄いため長期保存には向かず、食べきれない分は生のままカット、ゆでてマッシュにして冷凍するのがおすすめです。自然の恵みだからこそ、その年ごとの個性もまた味わいのひとつです(これは私が食べ比べて実感したことです)。

金山町地域おこし協力隊のアカウント(@okuaizukaneyama)でも「基本の調理法」の動画が公開されています。

奥会津金山赤カボチャの断面

奥会津金山赤カボチャの断面

炊飯器で作った金山カボチャケーキ

金山カボチャのケーキ
(炊飯器)

手作りの金山カボチャプリン

金山カボチャのプリン

さいごに:金山カボチャを食べて、只見川で「ととのう」秋を

ホクホクの金山カボチャでお腹を満たしたら、只見川で霧幻峡カヤックツアーもぜひ。水面に漕ぎ出せば、体も心もすっきりほどけて、ゆっくりと「ととのう」時間になります。澄んだ秋の空気の中、水面から見上げる山の色は、忘れられない眺めです。金山カボチャを味わいに、金山町へ来てください。そして只見川で、一緒に漕ぎましょう。

福島県・会津への旅行を計画している方は、金山カボチャが販売される8月中旬〜9月下旬の販売期間中(年によってずれることも)に、ぜひ金山町まで足を延ばしてみてください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。